冬に道連れ 雪女

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 雪の中で君を探した。白くて綺麗な雪女。その冷たい吐息で、男を凍らせるという魔性の女……終わらせてくれ。僕の下らない毎日を。  凍える雪山の中を歩き回った。とても寒くて足の震えが止まらない。もう限界かなと思った。その時、白い吐息を漏らしながら凍える君を見つけた。  白いワンピースを着た、若くて色白の女だった。透き通るような肌は、雪化粧で更に白く染まる。  女性は僕に気づくと近寄ってきた。まるで、獲物を見つけた雪女のように、冷たい笑みを浮かべて。 「ーーとても寒いですね……こんなところに1人できたら死んでしまいますよ」 妖しげな笑みを浮かべる女が側まで寄ってくる。 ーーその吐息に凍らされてしまうのだろう。 僕は、そんな予感がした。いや、期待をした。そういう風に思って凍死した方が心が暖まると思った。 「こんなところに1人できたらダメよ……そうよ。私も……ダメだったのよ。寒くて寒くて死ぬに死ねないわ」 寒さに耐えきれず、他人から暖を取ろうとする彼女は、冷え切った手で僕の体から熱を奪う。吹雪の中、2人は残酷な新雪の中で倒れた。容赦なく降り注ぐ雪は、2人の体を埋め尽くしていった。 ーー春が来て、雪解け。 白銀の大地も、地面の色や草木の色で色づく頃。 雪に溶かされた2人の白いお骨も太陽の元に晒された。 2人の魂は雪と共に天へと帰るだろう。 亡骸の傍には、天使が咲かせた白い雪の花が、2人を慰めていた。
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