私を捨てた貴方へ

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髪は一日洗わなければ、きしむのは当然で、それと同じく恋は一日放っておけば、取り返しのつかないものになる。 そう気づいたのは、もう遅いと言われる頃。 雪の中、ふるえる私は去りゆく貴方の背中をずっとずっと見つめていた。 あの人が去ったあの日から、もうどれだけの年月がすぎたのだろうか。いつの間にか、木々が生い茂っていた。小鳥たちのさえずりが私を慰める音楽に聞こえる。 きっと、いや、絶対に、もう二度とあの人が私の元へやって来ることはないだろう。 そうは分かっていても私はここで待つしかないのだ。あの人がやって来ると信じて。 でも、こう長い時間、あの人の迎えを待ち続けていると考えてしまう。 と。 私は、あの人に捨てられる前日、仕事が忙しいのを言い訳にして一日放っておいた。 いくつも送ってくるメッセージに、何度もかけてくる電話、それらに時間を割く暇がその日はどうしても無かったのだ。 少し愛が重く、束縛もなかなか強いあの人だが、さすがに一日くらいなら大丈夫だろうと思ってしまった。それがいけなかったのだ。 仕事明けに、謝罪メッセージを送ったが、もはや意味がなかったらしい。 あの人は、私に散々怒鳴り散らした後、5年も付き合っていた私を呆気なく捨てた。
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