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「あっつーーー!!なあ、絢音。なんぞ冷たいもんない?」
ジリジリと太陽煌めく真夏の午後。
藤太の昼寝の添い寝をしていた藤次は、やおら起き上がり、ダイニングで家計簿をつけている絢音に問いかける。
「ああ。それなら丁度、ミルク味のアイスキャンディあるわよ。食べる?」
「アイス!!やった!!さっすが歴戦の主婦絢音!問うたら何でも出てくる!!」
「ハイハイ。お世辞はいいから静かにして。藤太起きちゃうじゃない。ハイ。…アタシも食べよっかな。小腹すいたし。」
「おう!おおきに!!ほら、こっち来て一緒に食べよ!」
そうして袋を破り、円柱型の白色のアイスキャンディをガリガリと歯で砕いて食べ進めていた時だった。
不意に絢音に視線が行き、藤次はドキリとする。
「あーー。ホントに、暑い…」
結い上げた髪の毛を手櫛で掻き上げながら、白いアイスキャンディの汁を垂らしながら円柱を舐め回すその姿は、何とも艶かしくて…まるで………
「…………」
「?…どうかした?」
急に股ぐらを押さえて、真っ赤な顔で俯く藤次を不思議に思い問うと、彼は徐に絢音の方を見やる
「あ、いや、その…怒らんで、聞いてくれるか?」
「何を?」
首を傾げる絢音に、藤次は耳まで真っ赤になってポツリと呟く。
「勃った…」
「はあ?!」
声を上げる絢音に、藤次は必死に取り繕う。
「しゃあないやん!惚れた女が白い液垂らしながら円柱形のモン咥えて舐めまわしとったら、そりゃムラムラもするわっ!!」
「なっ!!」
忽ち真っ赤になる絢音に、藤次は上目遣いで懇願する。
「なあ、それ食べてからでええから、ワシのも舐めて?その柔らかい舌で…それとも、食べてくれる?下の…」
そうしてツウッと距離を詰めてきて、スカートを捲り太腿に手を滑らせてきたので、絢音は狼狽する。
「と、藤次さんダメ!アタシまだ食べて……ん!!」
口を口で塞がれ、ミルク味の甘ったるいキスをしている内に、絢音のアイスキャンディは手から零れ落ち、真夏の日差しが降り注ぐ窓辺の熱に溶け、2人が座っていたラグには2つの白いシミができ、絢音にくどくど説教されながら、藤次はそれを手洗いしたのでした。
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