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「なぁ? 馬鹿だろ、うちの兄貴」
「いや、かわいそうだよ。ていうか、おじいちゃん、こわ!」
「じいさんは短気だったからな~。昔は特に」
話を聞きながら父さんにコーヒーを渡すと「ありがとう」なんて言って、父さんはコーヒーを飲む。「ふぅ」と軽く息を吐いて笑っていた。
「日頃の行いがいけないんだよ。俺はあの家族のなかではいい子だからな~」
「……なに言ってんの、父さん」
「ははっ! まぁそんな思い出もあるわけだ」
しんしんと雪が降るこの頃。炬燵のなかで、スマホを見る父と勉強をしている娘は、同じタイミングでコーヒーを飲んで、なにげなく外を見る。
――窓は真っ白でなにも見えなかった。
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