アノ星の王子さま

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 でも、断れなかった。私は優しい地球人だったし、その時ぎゅーっと、ハグされてしまったから。  こうして、私とヨッテは友だちになってしまったのだ。 「ヨッテくんって、どーなの?」  別の講義で友だちになった子は言った。 「変だよね?」 「変っていうか、少し頭おかしいよね」 「やさしそうだけどね」 「でもさ、「僕は王子様」とか言わないよね、ふつう?」 「顔はまあまあだけどね」 「でもさ、言ってることはやばいよね」 「ななえ、いいの? 友だち選びなよ」  そんなこと言われても。 「現代魔法」の講義は毎週ある。したがって、毎週ヨッテに会ってしまうのだ。そして私の顔を見つけたとたん、ヨッテはすごい笑顔で追いかけてくる。大好物を見つけた子どもみたいに。  そんなの、無視なんかできないではないか。
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