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本当なら今日はまず、朝起きて一番に「はああああい!!!! 本日の主役ミス7です!!! みんな崇め奉りなさい! そこにひれふせえええええFooooooooooo!!!!!!」と社内を練り歩き、ミス6に誕生日プレゼントをねだり、社長に誕生日プレゼントを強制し、朝昼晩おやつと豪華なごちそうをたくさん食べて、夜は誕生日パーティーをして……と盛りだくさんのつもりだったのだ。
ミス7の定義として、誕生日はどんな我儘を言っても許されるし、どんなことをしても許されるし、何をおいても今日の主役が優先される日だ。
もちろん誕生日でなくても、ミス7はどんな我儘を言っても許されるし、どんなことをしても許されるし、何をおいても優先されるべきだと信じてはいるが、誕生日は次元が違う。
「私の愛しい誕生日……っ! さようなら楽しい誕生日……ああ誕生日、あなたは私を置いてどこへ行ってしまうというの? 私が何をしたっていうの!? 私はっ、私は……まだあなたのことが好きなの……! お願い、置いて行かないで、もうあんな思いしたくない! 私っ、いろいろ遠回りしたけど、やっぱりあなたが一番好きだって気づいたのよ。あなた以外にあんなに夢中になれる人いないわ……。だからお願い今日から私の誕生日を二月十三日にしてええええええええ!!!!!!」
「そんな茶番を即興で思いつく余裕があるなら、看病の必要はなさそうね」
「ああああああああすべての元凶! マジ超ガチンコ許すまじ!」
布団の中から目と腕だけをにょきっと突き出していたミス7は、突如部屋に入って来た美少女____ミス6を見て絶叫する。
「あなたがっ、あなたさえいなければ! ミス6とかいうおバカさんが闇鍋しようなんて言うから!」
「ごめんなさい、まさかあなたが毒に耐性ないなんて思わなくて」
「あるわよ!? もちろん耐性ありますけど!? 私が嫌いなのは毒じゃなくてキノコなの!」
「私はキノコも食べられるけど。私に効く毒なんかないけど」
「キエエエエエエエエェェェェェェ!!!!」
ミス7が壊れた。
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