プライド

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あのアパートで吉井さんに会った翌日、直接大家さんから相楽くんに電話があった。 相楽くんの部屋の前で一晩中騒いでいた女がいた。 結局誰かが警察に通報し、連行されていったと。 その後の警察からの連絡によると女性は両親が引き取りに来て必要な治療を受けさせると言っていたそうだ。 「俺…どうすれば良かったのかな。」 ポツリと言った相楽くんの顔は悲しそうで、切なかった。 思わず胸に抱き寄せた。 「相楽くんはちゃんと彼女と向き合ってあげたんだよ。できる限りしてあげた。だから相楽くんが傷つく必要ない。ご両親が見てくれるなら彼女もきっと大丈夫よ。」 「…うん。」 そう言って頷いた相楽くんは泣くのを堪えてるみたいだった。 あの日から私たちはセックスをしなくなった。 正確には相楽くんができなくなってしまった。 それがわかったとき、相楽くんは言った。 「ごめん…」 「なんで謝るの?私はすごく気持ちよかったよ?」 相楽くんはベッドを出てズボンだけを履くと言った。 「ちょっと、タバコ吸ってくる。」 ベランダへ出た相楽くんの後ろ姿を見て思った。 相楽くんがそうなってしまったのは心理的なストレスなんだろうな。 そして、それが若い相楽くんにとってどれだけショックなことかも想像できた。
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