プライド

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セックスをしなくても私は幸せだった。 相楽くんが隣にいて笑ってくれるだけで幸せ。 私も相楽くんにとってそういう存在になれてるのかな。 相楽くんは出来なくなった以外変わらなくて、相変わらず意地悪な冗談を言ったかと思えば優しく笑ったり。 先に帰ってる時はラインで連絡があって料理を作って待っていてくれる。 でも時々、ぼんやりしていることがあってまだ傷は癒えてはいないんだろうなと思った。 その日は日曜日。 あれからちょうど2週間が過ぎていた。 “今から帰るね。” と相楽くんからラインがあった。 部屋に一人でいるときは相楽くんからの連絡が何より嬉しかった。 初めの頃と変わらず胸がキュンとする。 それから暫くしてインターホンが鳴った。 「早かったねー」 言いながらドアを開けると晴海さんが立っていた。 「急にごめん。他に来客の予定があった?」 「……。」 その時初めて気がついた。 相楽くんは来る前に必ず連絡をくれること。 どんな小さなことも先に私に確認してくれること。 『…してもいい?』 『大丈夫かな?』 晴海さんはそんなことしない人だった。何より私がいつも晴海さんに合わせるのが当たり前だったからそんな必要なかったのかもしれない。 そのまま追い返す訳にもいかず部屋へ通した。
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