プライド

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「だったら?晴海さんにはもう関係ないでしょ?」 「僕はそんな風には考えられないよ。別れたとは言えいきなり他人とは思えない。君には幸せになって欲しいから…」 「勝手なこと言わないで!彼は私を救ってくれた大事な人よ。あなたのせいで傷ついた私を…」 その時インターホンが鳴った。 相楽くんが着いてしまった。 私は動けないでいた。すると鍵を開ける音とドアが開く音がした。 相楽くんが合鍵を使ったんだ。 「由貴さーん?料理中?」 相楽くんは部屋に来て、私と晴海さんを見た。 「えっと…誰?」 「君か…本当に若いね。」 晴海さんが相楽くんを見て言った。 その言葉にすこし顔が険しくなった相楽くんは言った。 「あなたは…晴海さん?」 私は相楽くんに言い訳みたいに言った。 「そう。今ね、私の郵便物を持って来てくれたの。でももう帰るから。」 「君、いくつ?」 晴海さんが相楽くんに訊いた。私が知ってる穏やかな晴海さんとは別人みたいに威圧的な態度だった。 そんな晴海さんに相楽くんが動じる様子はない。 「あんたに言う必要ないと思うけど。」 「すごく若いよね。まるで子供だ。 由貴さんとは釣り合わない。」 「晴海さんっ…!」 私は咄嗟に大声になった。 「何が言いたいの?」 相楽くんは晴海さんを睨んだ。
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