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ベッドに入るとあっという間に寝てしまう相楽くん。
きっと新しい生活に疲れているんだよね。
だから私といる時はリラックスして欲しいんだけどな…。
相楽くんは私といると、私のことを気遣ってしまう。
料理や後片付けも私が他のことをしているうちに終わらせていたり、私がしていれば手伝ってくれたり。
ほとんど毎日この部屋に来るようになり家賃も払いたいと言っている。
とりあえず新しい職場のお給料をもらってからと言って断った。
セックスができないことも気にしているみたいで、スキンシップからそのままそういうことをして、必ず私がイクまでする。
相楽くんの中でそれが彼の義務みたいになっていた。
でもそれを私が拒否してしまえば相楽くんの出来ないことへの劣等感や私への罪悪感の逃げ道を奪ってしまう気がした。
それを受け入れることが私の義務となり、相楽くんのために感じて、絶対イかなければと思うようになっていた。
「ありのままでいたい」
そう言っていたはずなのに…
少しずつ、少しずつ
歯車が噛み合わなくなっているのを感じた。
今の相楽くんは、
晴海さんといたときの私みたい…
そのことに必死に気づかないフリをして過ごしていた。
相楽くんの寝顔を見つめながら自分に言い聞かせる。
大丈夫
私たちはお互いを大事にしてるだけ。
私たちは幸せに向かっているんだよ。
そのために相楽くんは頑張ってくれてるんだから。
不安を打ち消すように、彼の寝顔にキスをした。
「好きよ…相楽くん。」
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