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相楽くんに会いたい。
会えばやっぱり好きだって思えるから。
かわいい顔も優しい雰囲気も。好きなんだって思い出せる。
余計なことを考えたくない。ただ好きという気持ちだけを確認したい。相楽くんも私を想ってくれてるってそれだけですごく幸せ。
相楽くん…早く帰ってこないかな。
今日も疲れて帰ってくるであろう相楽くんのため、夕食を作りながら待っていた。
インターホンが鳴り相楽くんが帰ってきた。
ドアを開けるとかわいい笑顔の相楽くん。
「おかえり。」
「ただいま、由貴さん。」
ギュッと抱きしめられた。
やっぱり好き。相楽くんの声も雰囲気も。
全て好き。
暖かい身体に抱きしめられると安心する。
私がまたキッチンに戻り料理の続きをしていると相楽くんが言った。
「あれ、これって…」
相楽くんの視線の先には私のバッグと晴海さんの店の名前が印字された紙袋があった。
どうしてそのまま、目につくところに置いてしまったんだろう。
「晴海さんに、会ったの?」
悲しそうな表情の相楽くんに私は言い訳するように言った。
「退職した先輩にどうしてもそのコーヒーを飲みたいってお願いされちゃって買いに行ったの。でも会ったっていっても晴海さんのお店でただコーヒーを買っただけだから…」
相楽くんはニコッと笑った。
「そっか…。
由貴さん何作ってるの?」
そう言って私のところへ来た。
「トマトのスープ。前に相楽くんが教えてくれたでしょ?」
「そうだったね。美味しそう。」
言いながら私の後ろから抱きついた相楽くん。
「相楽くん…料理中だから、危ないよ。」
「…うん。」
そう返事をしても相楽くんは私から離れなかった。
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