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相楽くんの過去
「彼女は俺が女風のセラピストしてた時のお客さんなんだ。
初めての彼氏がかなりひどい男だったみたいで、以来性的なことが怖くて恋愛がうまくいかないと言ってた。それを克服したくて女風を初めて利用したって。
女風では本番はないんだけど、それでもやっぱり色々思い出しちゃったみたいで結局途中で過呼吸になってしまったんだ。
実は俺の母親も時々過呼吸になる人だったから俺は慌てずそばにいて彼女を落ち着かせて…
そしたら“そういう人は今まで居なかった”って彼女の中で俺がヒーローみたいになっちゃったんだ。
それから毎回俺を指名して、彼女もそういう行為が少しずつできるようになった。
そのうちに俺しか無理だと言い始めた。
でも俺も俺だけを頼ってもらえることがうれしくて、彼女を支えたいと思うようになってた。
本当はダメなのに結局プライベートでも付き合うようになった。
プライベートの彼女はとにかく不安が強くて俺の全てを把握したがった。
だから俺は、俺の生活や仕事、母親のトラウマも全部正直に話した。
そしたら今度はセラピストを辞めてほしいと言い始めた。確かに彼氏が他の女の人にそういうことをするのを嫌な気持ちは理解できた。
でもその頃、他のお客さんの中に俺に会うことを楽しみにしてくれてる人も結構居てその人たちを裏切れなくて、こっそりセラピを続けてたんだ。
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