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セラピを続けてることを隠して彼女に嘘をついた。
数日後、彼女とセックスしてたら自分の右手が血まみれになった。
彼女は生理中なことを隠してそのまま俺にさせたんだ。俺が血にトラウマがあることを知った上で。
俺がセラピを続けてるからいけないんだって笑ってた。
俺はそれから本当に血が無理になって、セラピストも続けられなかった。
“もしこのお客さんが今なったら”って思うとそれだけで怖かったから。
結局彼女の思い通りになったけど、俺はもう彼女と一緒に居られなかった。
だから彼女に別れ話をしたんだ。
したら翌日、俺の部屋で
彼女は俺の母親と、同じ事をした。
俺の服や持ち物を血まみれにして、倒れてた。
俺はすぐに応急処置して救急車を呼んで、そのまま血まみれで病院にも付き添った。幸い命は助かったけど、それを最後に彼女には会ってない。連絡もしてない。」
相楽くんの手はずっと震えていた。
当時のことを思い出すのは今も辛いんだ。
「相楽くん…」
私は思わず呼びかけた。
すると相楽くんは自分の手を見て言った。
「情けないでしょ?いまだにこうして手が…」
私はその手を握った。
相楽くんは私の手を握り返し、手の震えは止まった。
「俺の部屋はあの日のままなんだ。
何度も帰ろうとしたけどどうしても色々思い出して無理だった。
彼女から半年ぶりに着信があった次の日、
アパートの管理会社からも連絡が来た。俺の部屋の前に一晩中立ってる女性が居ると他の住民から苦情が来てると言われ、彼女がまた俺に執着してるってわかった。
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