リアライズ22~Re:REAL~

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 それから何曲かコピー曲をやって解散。終電ならぬ終バスに乗り込み、疲れたと心の声で独り言を言う。 ケータイがマナーモードで震えてる。二つ折りのNシリーズのピンクのケータイを開く。 『Re:サヨナラ』 トモヤに送ったメールに返信が来てる。 『誤解だって。電話くらい出て』 本当に誤解なら電話するって、バーカ。 『Re:Re:サヨナラ 今バスの中だから通話出来ない。この間会って話したけど私今忙しいし、やりたいことがあるからサヨナラ』 カチカチと親指でボタンを押してメールを送信。そもそも『Re:』で返すな、大事な話を。 メールの件名くらいちゃんと書いてよ。 私はもう1つの夢を叶える。バンドをやってライブをやる。トモヤを着信拒否すると却って拗れるから放置。ラベンダー色の長い髪のあの人といればいい、好きなだけ。ケータイを乱暴に畳んでストラップを引きちぎった。お揃いなんてガキっぽい。車内にポイ捨ては良くないから、バスを下りてコンビニでご飯を買ってコンビニの外のゴミ箱にストラップを投げ入れた。 後ろを向いて、トレビの泉にコインを投げるように。上手く入った!願いはきっと叶う。 さあ、本気で音楽をやろう。 プロなんて無理なのはわかってる。 自分がゆける限界の所まで、私は歌い奏でる。
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