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叔父さんの家に帰り、夕食を食べ終え食器を片付けていると、叔母さんから俺に向かって声がかかった。 「和君とお風呂に入っちゃって、うちのお風呂大きくて2、3人は一緒に入れるから。今日は人数も多いし」 一瞬、思考がフリーズした後、フル回転で回り出す。 和と風呂? え? 一緒に入っていいの? 俺達の事を知らない叔母さんが、「洗う場所も二つあるのよ」なんて笑って付け足した。 「はい!お先に入らせて頂きます」 隣で驚いてる和。何か言い出す前に返事をしてリビングを出た。 「ちょっと!夏希、待ってよ」 「早く支度して入らなきゃね」 「……………」 実はまだ、和と一緒に風呂に入った事がない。なぜなら大人の関係になってから、和がめちゃくちゃ恥ずかしがるから。 セックスの前後も、各々シャワーを浴びるけど一緒にはない。 俺は、もちろん一緒に入りたいのに……… だから、まさかそれが、こんな形で叶うなんて……… ノロノロと支度をする和を急かして、俺達は風呂に来た。 叔父さんの家の風呂は本当に広くて、脱衣場も湯船も3人は一緒に入れそうだ。洗う場所も本当に二つある。 俺はあえて和を見ないで、さっさと服を脱いで風呂に入った。身体をさっと流すと湯船に入る。 そこでやっと、和が風呂に入ってきた。 俺と同じように素早く身体を流し、湯船に入ってきたのに……… 何?この距離。 俺から身体二つ分離した場所に座る和。 そうきたか………… 「………今日は疲れたね」 言いながら距離を詰めると、また少し離れる和。 「…………何で離れるの?」 今度は逃げられないように、一気に距離を詰めた。 「……だって……近づいたら………みんな、待ってるから早く出ないと、うわっ」 驚いた和が慌てて立ち上がろうとしたから、腕をとって引き寄せた。 バランスを崩して、俺の膝に後ろ向きに乗ってしまった和。 その身体を後ろから抱き締めると和の香りに一気に包まれる。身体の中心に熱が集まり始めて和が身体を浮かせようとする。 「………駄目だからな」 「何が?」 「………何もしないからな」 「せっかく初めて一緒に風呂に入ってるのに?」 赤く染まっていく和の首筋に唇を押し付けて話す。 「………みんなの風呂だから……」 少し柔らかくなった口調。 「………じゃあキスだけしてもいい?」 甘えた声で聞くと 「キスだけだからな」 そう言って和が振り返った。 奪うように唇を重ねると、すぐに俺の首に腕が回る。 本当は………和もしたかったんだ……… 絡み合う舌にどんどん上がる体温。風呂の熱さと和の香りにのぼせそうなのに、止められない。 お湯の中で触れ合う身体が気持ちいい……… そっと和の下半身に手を伸ばすと、しっかり形を成していて嬉しくて握ろうとした瞬間、ぐいっと身体を押された。 「それは駄目………」 困った切ない顔の和が首を振る。 その顔に煽られて、もう一度キスをした。 「じゃあ………帰ったら絶対一緒に風呂に入ろうね」 唇を離し目を見て言うと、視線を少し逸らして和が頷いた。
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