君に恋する青い月【特別編の番外編⑩】キャラメルミルクティーとコーヒー

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 伊織はにこやかにしつつも樹の様子が何か変だと思っていた。 「えへへ~。伊織さんに会えちゃった。今朝、樹くんと伊織さんの話をしてたんですよ~」 「へぇ~、樹クンと?どんな話してたの?」 「キャラメルミルクティーの味が甘くて伊織さんみたい~って」  それを聞いた伊織は、心の中で「はは~ん」と何か感づいたようだ。  にこやかに、そして楽しそうに会話する汐里と伊織。  樹の表情は相変わらずだ。  あまりにも話が弾んでいたところへ、樹が割って入った。 「すいません、オレたちこれから予定があるんで」 「ああ、そっか。ついつい話し込んじゃってごめんね」  申し訳なさそうに伊織が言う。 「結婚指輪を見に行くんです。な、しおりん」 「うん!」 「そういうことなんで失礼します。ほら行こう」  ぺこりと会釈をしたあと、樹は汐里の手を引いてそのまま歩いていった。
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