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玄関の鍵を差し込み、そっとドアを開ける。
寝室の扉を開けると、眠っている汐里が見えた。
静かな寝息だけが響く部屋。
身体に無理がかかるといけないため、先に寝ておくように言ってある。
樹はシャワーを終えて寝る用意をし、自分もそっと同じベッドに入った。
「(ただいま)」
すると、眠っているはずの汐里が樹の手をきゅっと握ったのだ。
「んぅ……」
起きているのかと思ったが、やはり寝ている。
一瞬起こしてしまったかと戸惑ったがそうではなかったようだ。
眠りながら「おかえり」を言ってくれているのだろうか。
樹は自分も汐里の手を握り返した。
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