君に恋する青い月【特別編の番外編⑩】キャラメルミルクティーとコーヒー

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 マグカップから唇を放してホッと一息つく。  ほわりとした湯気に、甘い香りが漂う。  幸せそうに微笑む汐里を見て、樹が言った。 「しおりん、紅茶好きだね。おいしい?」 「うん!おいしいよ!大好きなの」  えへへと笑いながら汐里が手に取ったのは紅茶の入った缶。  有名なブランドのキャラメルミルクティーだ。  少々お高めだったのだが、頑張る自分へのご褒美として買ったものだった。  喉の奥を通り抜けていくと、ふわっと優しく幸せな気分になれる。  樹と一緒に暮らし始めて一ヶ月足らず。  結婚に向かっての話も少しずつ動き出し、手探り状態ではあるが二人で着々と歩み始めたところだった。  今日は汐里の休みの日。  樹が仕事に行くまでの間、一緒に過ごせるのが嬉しかった。
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