第1章 強くてニューゲーム?

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2週間後、丁度終業式の日に模試の結果が入った封筒が家のポストに届いた。 長かった。 来ていないと分かっていても、家のポストを除いては、入っていないことに落胆する日々。 短い日々だったが、不思議と長く感じた。だがそれももう終わる。 僕は慎重に模試の結果が入った封筒を開封し、恐る恐る開いた。 「おっ」 偏差値71。 以前受験を経験した時ですら、ここまで高い数値は出なかった。 そのため僕は成長を実感し、ガッツポーズをして喜んだ。これから迎える夏休みは受験の天王山と呼ばれる時期である。さらに桜崎第一は難関高校であり、基礎的なことを網羅していたとしても合格出来るとは限らない。むしろ受けるには基礎が固まっていることが前提であると言ってもよいだろう。そのためここで足を止めるわけにはいかないことは分かっていた。分かっていても、少し浮かれていた。 だが僕は知らなかった。この後大きな壁にぶつかることを。
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