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風邪が治った後、僕は田中に、学校で鈴木先輩を見たことを話した。
「あー…あの噂、ホントだったんだ」
どこか納得したような表情で、彼は言った。
「う、噂って…?」
「ちょっとした噂になっていたんだよ。先輩が人間関係も部活も勉強も、何もかもが上手く行かないせいで、精神的に疲れて不登校になったって」
「全然知らなかったぜ…」
今でも信じられないというのが本音だ。鈴木先輩と言えば、何でも出来るうえに、コミュニケーション力も高く、男女ともに人気があった。不登校とは縁の無さそうな人物像だっただけに、ただただ驚いた。
「ていうか随分曖昧だな、その噂」
「まあな…俺も人伝に聞いただけだし。でも勉強で躓いたからっていうのが一番有力だ」
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