プロローグ

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【桜崎第一高校 絶対合格】 そのメモにはこう書かれていた。確か普段勉強する時に自然と目に入るが、両親には見つかりにくい場所ということで、勉強机にこっそりと貼った記憶がある。それを見た僕ははっとなると同時に、中2の頃のことについて、より鮮明に思い出した。 「そうか…!」 僕は県内有数の進学校である、桜崎第一高校の受験に向けて必死に勉強していた。だが行くことが出来なかったのである。その後不本意な進学先になった僕はまともに勉強せず、今、というよりも先程まで冴えないサラリーマンとして生活していた僕に至るというわけだ。 同時に、過去に戻った理由が分かった。リベンジして自分の人生を取り戻せと、神様に言われているのだ。もっとも、直接言われたわけではないが、そう言われているような感覚を確かに持っていた。そうとなればやることは1つ。当時行きたくて仕方がなかった高校である桜崎第一高校を目指して勉強し、合格することだけだ。 「なるほどな…やってやるよ…!」 僕は決意を固めた。 あの時落ちた高校からの合格をもぎ取るために。 そして、自分の人生を取り戻すために。
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