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試験会場にて。
ついにきた!! この時が。
俺は意を決して、都立恋花学園高等学校の門をくぐる。
都立恋花学園高等学校ーー略して恋学は、俺の推し、女子アナウンサーのみぽりんの母校で、都内随一の偏差値を誇る、超名門進学校だ。
「ここが、みぽりんの母校……!!」
心なしか、若かりし頃のみぽりんのかおりがするような気がしないでもない。
※現時点で、女子アナウンサー山本みほり、通称みぽりんは25歳です。
校門を入ってすぐの場所で立ち止まり、みぽりんの残り香を堪能するように、俺は大きく深呼吸した。
俺の名前は小勇持剛彦。都立しおだれ中学校の3年生だ。ここ恋学には、受験生として訪れている。学ランの左ポケットに入っている受験票は末広がりの88と縁起がいい! そう、これは俺が野望に近づくための最初の一歩なのだ!
そう、野望ーー俺には3つの野望がある。
ひとーつ! みぽりんと結婚すること!
ふたーつ! そのために男性アナウンサーになり、みぽりんが所属する月テレに入社すること!
みーっつ! みぽりんに恥じぬよう、彼女と同じく、恋学を首席入学→首席卒業をし、彼女と釣り合う男であると示すこと!
以上が俺の野望だ。
ふふ、相変わらずなんて完璧な計画!
お茶の間の才女みぽりんだって、そんな俺に惹かれないはずがない!!
まずははじめの一歩として、恋学への首席入学をすることが、俺に課せられた最初のミッションだ!
学ランの胸ポケットから取り出した櫛でピッチリと七三分けに髪をなでつけ、瓶底眼鏡を光らせながら櫛を胸ポケットに入れると、俺はキリリとした顔つきで、校門をあとにした。
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