結婚の儀

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境内で写真撮影となる。 この日のためにカメラマンさんをお願いしてた。 「では、皆さんこちらにお集まり下さい!」 境内に座席が用意されている。 中心に二人座り、二人を挟むように仲人の辻井さんご夫妻と敏和さん側に天満社長夫妻、奈央さん家族、私の方に両親、祖父母が座る。 「では、何枚か集合写真を撮影していきますね! はい!にっこり笑って!チーズ!」 カメラマンさんが撮影していく。 「あっこら!(かなめ)!」 奈央さんの声。 「こっち。こっち。」 と言いながら双子のお兄ちゃんの要君が前に出てきた。 10ヶ月を過ぎてかなり歩けるようになっておしゃべりも早くて…。要君、目が話せない。 よちよち歩いて私に近づき登ってくる。 「要君、抱っこ?」 「らっこ!」 にっこり笑って抱っこをねだる。 「はぁ、実咲だけでなく要にも紗季を盗られる…」 そう言ってる側で双子の妹の実菜(みな)ちゃんも出てきて 「みー、らっこ!」 と実菜ちゃんも抱っこのおねだり。 「実菜、お前もか!」 敏和さんが頭を抱える。 「はいはい。みー、ねえねにおいで。」 実咲ちゃんが実菜ちゃんを抱っこする。 弟妹ができてから一段とお姉さんになった実咲ちゃん。上手に双子をあやす。 「要、おいで。」 と敏和さんが手を差し伸べる。が… 「とーしー、やっ!」 「え?」 「やっ! さー!きー!いー!」 「通訳しよう。『俺は紗季姉さんに抱っこされたい、オジさんのお前なんか嫌じゃ。』と言っております。」 と、シタリ顔で実咲ちゃんが言う。 「酷い…」 一同大笑い。 「いいですね〜」 と言いながらカメラマンさんがシャッターを押しまくる! 「お二人、赤ちゃん抱っこしてもらえます? 近い将来こんな感じになるんじゃないんですか?」 とカメラマンさん。 実咲ちゃんが実菜ちゃんを敏和さんに渡す。 「いいですね〜ではスナップ写真撮りますね。」 撮り終った所で奈央さんと誠司さんが双子をそれぞれ抱っこする。 「敏和、ライバルが増えたな…。」 誠司さんが抱っこした要君を見ながら言う。 「勘弁してくれよ。要は強敵だ…。」 私は苦笑い。 そんなこんなで終始和やかに婚礼の儀が終わった。 『縁は異なもの味なもの』 奈央さんの救急搬送から始まったと思ったら、実はお父さん達との出会いからこの縁は始まっていたのかも…。 そう思うと感慨深い。 出会う人との縁を大事にしていきたいと 強く思う。 おしまい。
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