皐月

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保健室の先生が駆け寄ってきて 「ちょっといいですか?」と訊ねた。 「えっとお名前は…」 「広瀬 紗季です。」 「広瀬さん、私は保健室の村越です。」 「実咲さんのお父さんが電話に出られなかったようで…緊急連絡先に記名されていたお母さんの弟、実咲さんの叔父さんに当たる方に連絡したので時期に来られます。お見えになられたら、広瀬さんはお帰りになられても大丈夫ですよ。」 「ありがとうございます。では叔父さんが来られるまで実咲さんに付き添いますね。」 「ありがとうございます。助かります。」 自販機でジュースを3本買って待合室の長いすで座っている実咲の横に座る。 「これ飲む?」 オレンジジュースを差し出した。 「うん。」 「村越先生もどうぞ。」 「私まで、お気遣い頂きましてありがとうございます。」 「ちょっとは落ち着いたかな?」 「おいしい…。」 ニコッと実咲ちゃんに笑顔が戻った。 「よかった。」と私も微笑んだ。
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