救護した人は課長のお姉さん!?

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「お姉ちゃん、合気道2段なんだって!」 実咲ちゃんが私の手を握りぶらぶらと 揺らしながら嬉しそうに話す。 「え?広瀬、有段者なのか?」 課長が驚いた顔で私を見る。 「はぁ一応ですが…。大学在学中に取得 しましたが、社会人になってご無沙汰ですが。」 「そうか。まぁ、俺が通ってる道場は割とフランクな道場だからよかったら案内するよ。」 課長がにこやかに話してくれる。 「はあ。」 気の抜けた返事なのに、実咲ちゃんは更に手をしっかりと握り 「絶対、ぜーたい、明日一緒に行こうね約束だよ!」 無理やり約束されてしまった…。 「さて、実咲、ママの部屋へ行こうか。」 「うん!」 実咲ちゃんは 「エレベーターこっちだ!」 と先に進んでいく。 後ろから課長が小声で私に 「道場、無理しなくてもいいんだぞ、彼氏とデートでもあるんじゃないか?」 と、話しかけてきた。 (いやいや、彼氏なんていないんですが。) 「お気遣いありがとうございます。彼氏、いたらいいんですが、生憎いないので。」 と、小声で返事をした。 課長が驚いた顔で、 「そ、そっか。いや、広瀬がなんだか行きたく無さそうだからてっきり彼氏いるのかと思ってさ。あっセクハラ発言か。すまない。」 照れたように課長が話す。 「いや〜合気道は好きで始めて2段まで取得しましたが、最近やってないからちょっと不安だっただけですよ。」 と、笑いながら答えた。 「そっか、実咲が後でまた誘うと思うが…すまない。」 課長が嬉しそうな顔で話す。 (あれ?課長、めちゃくちゃ嬉しそう。) 3階に上がり307号室を見つけた実咲が、 「あっここだ!」と言う。 中に入ると、4人部屋だが他に入院患者は居ないようで個室状態だった。 「ママ!」と私の手を離し実咲ちゃんは母親へ駆け寄る。 「実咲!」とベッドの上の彼女は実咲ちゃんを抱きしめた。 
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