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「お待たせしました、ランチバーガーセットです。」
店員さんが運んでくれた手作りハンバーガーが目の前に置かれた。
「いっただきまーす!」
嬉しそうに実咲ちゃんがガブリっと頬張る。
「おいひい〜。」
見てるこっちも幸せになる。
「じゃ私もいただきます。」
と手を合わせた。
「実咲、パフェまで食えるか?これ、量が多いぞ。」
「デザートは別の所に入るの!」
クスクス笑ってしまう。
実咲ちゃんが食べ終わりそうなった頃、課長のスマホが鳴った。
「もしもし?え?駅に今着いた?
ここからだったら1時間後位に行けるよ。
ちょっと待ってて。着いたらまた連絡する。」
スマホを切って
「実咲、デザートはパパを迎えに行ってからだ。」
「えーここで食べたい!」
「新大阪の駅中は店が色々あるぞ。」
「じゃ、お姉ちゃんも一緒に行く!」
「え?私は今日はここで帰るよ。明日また会おうね。」
「えー!もうバイバイするの?やだー!」
「ワガママ言わない。明日、道場に来てくれるから。」
「じゃさ、実咲の家でお姉ちゃんと実咲が待ってるから、敏兄はパパ迎えに行ってきて。」
「はぁ?お前も一緒に駅に迎えに行くの!」
「えーやだ! あっママの着替えいるんだよね?実咲がママのお泊り準備するから敏兄はパパを迎えに行って!お姉ちゃんと実咲は家で待ってる。敏兄が帰ってきたら、パパとお姉ちゃんは今日、会える!そうしよう!」
(私、懐かれてる?そして実咲ちゃん、かなり賢い!)
「はぁ〜ホントお前は…言い出したら聞かないし。」
課長が頭を抱える。実咲ちゃんには勝てないみたい。
私はクスクス笑いながら、
「あのぉ、お困りの様ですから私、お手伝いしましょうか?」
「広瀬、朝から付合わせてホントに申し訳ない…。」
「いいですよ。」
笑いながら答えた。
「じゃ、実咲、家に帰るぞ。」
「は〜い。」
実咲ちゃんが嬉しそうに答える。
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