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ぼくは魚のうおすけ。歌うことが大好き。いつでも歌いたいんだけど、みんなは普段ぼくの歌を聞きたがらない。
はずだったけど。
「サメだー!」
ええ、サメ!?
みんな逃げようとする。ぼくも逃げようとした。でも。
「うおすけ、出番だ! 思いっきり歌え!」
うおっちが逃げながら言った。
「ええ!? この状況で!?」
「この状況だからこそだよ! いいから歌え!」
よくわからないけど、もしかして歌うことで励ませたりとか?
よし、思いっきり歌おう!
ぼくは思いきり気持ちよく歌った。すると。
「うわあ!!」
サメは頭をぐらぐらさせて逃げていった。
みんなも頭をぐらぐらさせている。うおっちが言った。
「うおすけ、お前の歌ってほんとサイコーだな……」
「ほんと? じゃあもう一回歌おうか?」
「それはダメ!!!」
それからみんな、ごくたまーにぼくの歌を聞きたがるようになった。何故かサメが出てくるときだけは。
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