寒空に降り積もる

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 ふるえる私の手を、大きなあなたの手が包み込みました。カサついた手のひらはやわらかい手の甲に良く馴染み、私の手はあなたに触れるためにあったのだと確信しました。  あなたの手がふるえていたのもまた、寒さのせいではありませんでした。 「ふふ。手袋をしていない私より、あなたの手の方が冷たいなんて」 「君の手があたたか過ぎるんだ。それどころか、どんどん体温が上がっているように感じる」 「ええ。あなたもきっと」  聞き慣れた行き先をアナウンスするバスが近付き、遠ざかってゆきました。  やがて、白い粉雪が舞い降り、あなたの肩に解けました。
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