8人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
サブキャラクター②
●度会葵(わたらいあおい)
京都地方検察庁刑事部長。通称度会部長。
藤次と賢太郎の直属の上司であり、男社会の検察で部長に上り詰めた女傑。
藤次曰く、掴みどころがない人物で、終始にこにこ穏やかに笑っているため、腹の底が読めない。
藤次に対しては、彼を藤次クンと呼び可愛がっているようだが、サイドストーリー「鬼に魅入られた女」では、絢音との性生活を盛り上げるために暗躍し、孫を早く見せろと、普通ならセクハラ認定される言葉を浴びせているが、それを全て「仲人」と言う言葉で濁しているから始末が悪く、口達者な藤次を閉口させるので、やはり底が知れない。
藤次の亡父「南部憲一郎」の部下で、彼が唯一心を許し、弱音を吐いていた懇意の相手だが、そこに恋愛感情や肉体関係があったかは、彼女のみぞしるところ…
憲一郎の妻皐月とも面識があったようだが、彼女とどんなやりとりをしていたかは不明。しかし、若き日の南部家に深く関わっていたようである。
サブストーリーで、藤次に憲一郎を重ねている節があり、自分の前で同じ過ち…離婚をするなと彼に釘を刺す辺り、2人の仲を気にかけているようである。
好物は、行列が出来ることで有名な玉村屋のプリンで、藤次曰く朝5時に並ばないと手に入らないらしい。
●南部憲一郎(なんぶけんいちろう)
元京都地方検察庁刑事部長で、藤次と恵理子の父親。
「鬼の南部」と呼ばれる冷血漢で、踏んだ場数は数知れない、正に仕事の鬼。
家庭においても、妻皐月や娘恵理子、息子である藤次にも冷たく当たり、その所業は藤次の心に深いしこりを植え付けている。
しかし、サイドストーリー「鬼に魅入られた女」の、度会葵の回想から、家族を愛するあまり、どう接していいか分からないと言う思いを吐露しているところから、本質は情の深い…寂しがりやな人物であることが推察される。
藤次の大学卒業を機に、妻皐月に離婚を切り出されたが、藤次曰く驚くほどあっさりと離婚に応じたと言う。
しかし、離婚から時を置かず皐月は末期癌で他界したため、何か夫婦の間で思うところがあったのかもしれないが、真相は藪の中。
妻皐月とはお見合い結婚で、初めてデートしたレストランで、クリスマスは毎年家族で食事をしていたという。
藤次曰く、唯一の家族らしい思い出らしく、彼がそのレストランを絢音とのプロポーズの場に選ぶ事などから、唯一の幸せな時間だったのかもしれない。
皐月の死から3年後…藤次が32歳の時に、脳出血で他界。
緊急の連絡先を藤次にしていたため、駆けつけた彼に「俺のようになるな。お前は、沢山の人に愛されて、看取られて死ね」と遺し、藤次ただ一人に看取られて、密やかに亡くなる。
何故、娘恵理子ではなく、息子藤次だったかは、彼の心の中だけの秘密である…
●南部皐月(なんぶさつき)
南部憲一郎の妻で、藤次と恵理子の母親。
憲一郎とはお見合いで、結婚後は家庭に入り、恵理子と藤次を育てていたようである。
憲一郎に、食事を捨てられたり、罵詈雑言を浴びせられたり、過干渉を受けるなど、終始虐げられ、いつも泣いていたという。
しかし、藤次の大学卒業を機に、憲一郎に離婚を切り出し、娘恵理子と共に暮らすが、程なく末期癌で死去。
恵理子曰く、最期の最期まで藤次に会いたいと泣いていたらしいが、地方転勤と、仕事に夢中だった藤次はそれを顧みず、今際の際まで、福岡で法廷に立ち、死に目には遂に会えなかったと言う。
葵の夫洋平曰く、若い頃の姿が絢音に似ているらしく、藤次の中で母の存在が、なにかしらの影響を与えているようである。
●長山恵理子(ながやまえりこ)
藤次の五つ年上の姉で、奈良で看護師をしている。
父憲一郎と母皐月が離婚した際は、母皐月につき、ずっと面倒を見ていたと言う。
藤次に会いたいと泣いていた母を憐れみ、葬式に現れた藤次に詰め寄り責めたが、普段は彼を「とーちゃん」と呼び可愛がっている辺り、姉弟仲は良い方なのだろう。
作中には登場してないが、夫は仏師。
藤次と同じく関西訛りである。
最初のコメントを投稿しよう!