文字の墓場

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あんな風にされたのは初めてだった。

普段縛られたりはするが自分ではそれは美術品の様な感覚で、性的なものだとは思って居ない。勿論そう言った見方をする者も居るが、自分自身は拘束緊縛に寄って興奮する事は無かった。

姿見の前でスカートを捲り上げてみる。レザーに包まれ、無数のベルトとジッパーで繋がれた体。人前に曝す事は無い、あの人にすら見せた事が無い。自分だけが知って居れば良い。何て生き辛い世界なのだろうと思った時期もあったが、あの人に出逢ってそれは大きく変わった。もしも出逢って居なかったら、生き辛いままの世界だったら……今、地面に両足を付けて立って居る自信すら無い。