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「レン、俺我慢したよ」
「そんなんじゃ毎日だよ」
「だめなの?」
「だめじゃ、ないけど。どこでやんの」
「レンの家行きたい」
「えぇー片付いてない」
「別にいい」
なんか俺が襲われそうな雰囲気あるけど、流石にだめ。莉都にやられるほど俺か弱くない。
「ただいまー」
「あ、おかえり。あら莉都くん、私今から買い物行くから」
「はーいお邪魔します」
レンのお母さん久しぶりに見たなあとか思っていると、こそっと囁かれた。
「あの子いろいろ強がってるけど、甘やかしてあげてね。ほんとは莉都くんと一緒にいたいだけみたいだから」
「おいやめろ、莉都に近づくんじゃねえよ」
レンが焦って俺の腕を引くけど、お母さん最高だわ。
「ありがとうございます」
笑いながらそう言うと、レンがすごい不機嫌になった。
「はやく行けよ買い物…」
「はいはい、ゆっくりしてってねー」
階段を登る時もレンは不機嫌なままだったけど、手は離してくれなかった。
「莉都…お前何言われた?」
「ええ?なんにも」
「とぼけんなよ」
「俺はレンを甘やかしてあげなきゃいけない」
「……あの野郎ほんと何言ったんだ…」
俺の役割はやられる側で固定だけど、その後にはレンを撫でてあげることにした。やめろよとか言ってたけどまんざらでもなさそうな顔してたから嬉しかった。お母さんってよく見てるんだな子どものこと。
「莉都、何見てんの」
「あの写真、修学旅行の時の?」
レンの部屋に飾ってあった写真を見ながら聞くと、ぱっと立ち上がって言った。
「見んな」
何それかわいい。
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