いつまでも、どこまでも

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「葛城くんってこのクラス?」 「俺、ですけど…」 知らない先輩が急に来た。サッカー部の勧誘らしい。だる。近くにいた莉都の手をつかんでそのまま行った。 「すいません俺、帰宅部なんで」 「いやいや、サッカー部入ればモテるよ」 「…モテる必要ないんですけど」 「あれ、もしかして彼女いるの?」 つかんでいる莉都の手がぎゅっと強ばるのが分かった。 「あのーそういうのやめてもらえませんか迷惑っす」 「そう言わずにさ、サッカー部おいでよ」 この人話通じないのかな。 「お名前教えてください」 「え、俺?柊木(ひいらぎ)久遠(くおん)」 柊木先輩、ね。危険人物。覚えとこう。 「レン、あの勧誘どうするの?」 「行くわけないじゃん、だるいし莉都との時間短くなる。ありえない」 ぱっと笑顔になる莉都。かわいい。一生帰宅部がいい。 「おーい莉都帰ろうぜ」 「うん!」 「ちょっとまったー」 どこに潜んでいたのか、また柊木先輩が出てきた。 「はぁ…だる。帰ろ」 無視して帰ろうとしても通り道を邪魔してきてだるいので片付けることにした。 「ほんとにだるいっす」 「じゃあこの子がサッカー部に入ったら葛城くんも入る?」 莉都は関係ないだろ。ふざけんな。てか莉都がサッカー部って…。変なの。俺は笑いを堪えきれなかった。莉都は笑うなって言ってるけど、いや、流石にサッカー部は…。 「莉都には無理です」 「おいふざけんな!」 莉都も笑いながら怒ってる。莉都は、運動部じゃないっすよ、柊木先輩。 「莉都が入ってもって、そんなのありえないんで。さよなら」 「あ、葛城くん…」 莉都の手を引いたまま走って逃げる。はやめに柊木先輩は片付けないとだなあ。
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