いつまでも、どこまでも

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「莉都?どしたの」 小学校までは俺の方がモテてたけど、中学入ってから異様にモテなくなった。レンの方がイケメンだからかなあ。そんなことを考えながら、ぼーっとレンを見ていた。 「なんでもない」 そう言うとレンは 「えーなんだよー」 と不満そうに、でも笑いながら言い、同時に俺に抱きついてきた。その瞬間から俺の人生は変わった。 「風邪だし外行けなくて寂しかったんだぞ」 俺の胸に頭を押し付けながらそう言うレン。今までだってレンは距離近かったけど、こんなにじゃなかった。俺は何も考えられなくなって、無意識にレンの頭を撫でてしまわないよう両手を上げた。 今までずっと一緒にいて、こんな俺の気持ちなんかで関係が変わるのは嫌だ。自分の気持ちに気付いてしまった以上、他の女子と帰るとか無理だし、レンが女子と帰るのも嫌だ。でも嫌だとか言ったらめんどくさい奴と思われるかな。何故俺はレンを好きになってしまったんだろう。 そして中3の今、レンには彼女がいた。 「あ、レンくん!帰ろっ」 「おう!」 じゃあなと言われたけど、レンの彼女とやらを見てみたくてそっと物陰から見ていた。可愛い、んだろうな。俺には分からない。みんなにイケメンと言われるレンを可愛いと思い、みんなに可愛いと言われているレンの彼女に対しては何も感じない。俺の感覚はおかしいのか。 幼馴染に恋人ができたら、みんなこう思うんだろうか。それともこんなに独占欲が出てしまうのは俺だけなのか?
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