いつまでも、どこまでも

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「あ、莉都先輩!」 後輩に話しかけられると無視できないからだるいんだよなぁ。 「どうした?」 「莉都先輩って、彼女いますか?」 なんで急にそんな話を。いるわけないじゃん彼女なんて。俺が好きなのはレンだけだ。 「俺だってほしいわ…」 まあ彼女じゃなくて彼氏だし。特定の人物だけど。 「やっぱいないですよね!ありがとーございます!」 なんかむかつくなその言い方。これだから音楽部は…。躾がなってないですねえ。 「あ、レン………あ」 変なとこにいるから何してんのって言おうと思ったけどその向こうに人がいるのが見えた。告白かぁ…。レンはモテるしなぁ。 「ごめんね、俺好きな子いるんだ」 横から聞いていた俺は驚いて声を出しそうになった。は?彼女いるんだ、じゃないの?どういうこと?誰?好きな子?はぁ?彼女じゃないってこと? 「……ごめんなさいっ」 微妙に見て分かる程度に目を潤ませた女子が俺に気付かず走っていった。 「莉都」 「ひぁ!?」 俺の方を見てなかったのになんで気づいてるの。驚かせようと思ったのにこれじゃ自分が驚いてる。 「いつから…?」 「莉都が来た時から」 ふざけんな。 「てか、好きな子いるって何!彼女じゃないの?」 「ああ、別れた」 はぁ?彼女と別れてもう好きな子がいるって、何?浮気じゃん。最後の方は浮気だったってことじゃん。どういうこと? 家に帰って思い当たる好きな人候補を考えてみたけど分からなかった。本人に聞くしかないかぁ。
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