いつまでも、どこまでも

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「レン、好きな人って誰」 今までレンの隣で生きてきた俺なら、どんな答えが返ってきても絶望しない。だって、絶対に好きになってもらえる可能性がないんだよ。期待するだけ無駄じゃん。彼女のいるレンを何年も想い続けてきた俺なら大丈夫だ。そう考えて送ってしまった。 「レン、好きな人って誰」 通知が来た。くるみ……なんでそんなこと聞くかなぁ。あの時くるみに聞かれてなければ胡桃沢くんが好きだからごめんねって言えたんだけど。めんどくせえ。なんて言おう。 「誰だと思う?」 「知らねえよそんなん」 「言ってみて」 「仲良い?」 「うん」 レンと仲良い人だと。誰だ。 「いつから好き?」 「1週間前くらい」 「最近すぎ」 もうバレてもいいか…。どうせ莉都だし。知られたところで笑い飛ばせる。 「胡桃沢莉都」 あの日から2週間経った。俺は今でもまだ信じられないでいる。あのレンが。葛城レンが、俺を好きになることはない。そう思っていたのに。期待するだけ無駄とか思って強気になってた。俺は知らないうちに泣いていたらしい。スマホを見ながら突然泣き出した俺を、妹は芋虫でも見るような顔で見ていた。何回トーク画面を見ても泣けてくる。 あの後すぐ電話がかかってきて、レンが家に来た。カッコつけて、口でちゃんと伝えたいからとか言ってさ。俺が尊死するだけなのに。 「俺、昔から好きだったんだ。莉都のこと」 「かのじょ、い"たじゃん…っ」
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