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この会社は、それ以外にも社員を楽しませる風潮があるようだ。 二人の話によると、 社員達は、社内パーティーが好きらしい。 そこで奈緒は思い出した。 面接の日に見たパーティールームの事を... 「あの...28階にあるパーティールームは、どんな時に使うのですか?」 すると恵子が言った。 「あの部屋はねぇ、クリスマスとか、新年会とか...あとは会社の大きな事業が成功した時とかのパーティーで使うのよ。その時は、社員は食べ放題! 飲み放題! ケータリングで料理を頼むから何もしなくていいの。前回は寿司職人を連れて来て、目の前でお寿司も握ってくれたわ。まあ、従業員を労う為に、時々そういったパーティーが催されるのよ!」 「へぇ~凄いですねぇ...」 「なんかバブル期みたいでしょう? って言っても、あなたたちは若いからバブルの話はわからないか!」 「噂で聞いた事はありますけれど...バブルってそういうのが頻繁にあったんですね」 「そうよぉ~、会社が費用を持ってくれて、私もよく接待で行ったわ! 目の前で焼いてくれるステーキのお店や、廻らないお高い寿司屋にね!」 さおりが懐かしそうに当時を思い返す。 「私達はバブルの恩恵を受けていませんから~!」 恵子が口を尖らせて言うと、 「この会社で楽しめばいいじゃない! この会社はこれから更に伸びるわよ~!」 さおりの言葉を聞くと、恵子が笑顔でうんと頷いた。 食事の後、三人はティラミスとコーヒーを楽しんだ。 さおりのボスの川田公平に、13時に来客があるというので、 三人は早めに店を出る事にする。 会計をする際、奈緒が自分の分を払おうとすると、 「いいからいいから。今日は歓迎会だし!」 そう言って、さおりは三人分の代金を払ってくれた。 「私までラッキー!」 と恵子が喜ぶ。 それから、奈緒と恵子はさおりに「ご馳走様でした」と礼を言った。
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