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「色々と心配かけてごめんなさいね...で、その話っていうのは?」
「あ、はい、江崎さんは......麻生さんの事を本当に愛していらっしゃったと思います。それは私が保証します! あんな事になっちゃったけれど、江崎さんは麻生さんの事をとても大切に思っていらっしゃいました! だから、きっちりけじめをつけてから麻生さんと結婚したかったんだと思います」
「えっ? ちょっと待って! あなたは、徹と三輪さんの事を知っているの?」
「はい......実は私知っていたんです。三輪さんが江崎さんを狙っていた事を...」
「狙っていた? それはどういう意味?」
「三輪さんは、江崎さんに恋人がいる事を知りながら、江崎さんにちょっかいを出していたんです...」
「............」
奈緒は思わず言葉を失った。
これは一体どういう意味なのだろうか?
すると、倉本が続けた。
「年度末の打ち上げの時、確か麻生さんはお母様の手術でご実家に帰られていましたよね? だから飲み会の席にもいらっしゃらなくて......」
「うん、確かにあの日は有休を取っていたし、飲み会にも出なかったわ」
「ですよね? で、私その打ち上げの二次会で、見ちゃったんです」
「見たって何を?」
「三輪さんが酔いつぶれて、江崎さんにしなだれかかっている所を。その時、江崎さんに家まで送ってとせがんでいて......それで仕方なく江崎さんはタクシーで三輪さんを自宅まで送って行ったようです」
「............」
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