9354人が本棚に入れています
本棚に追加
そこでさおりと恵子が話し始める。
「深山さんってやっぱり甘党男子ね!」
「本当ですね! 前も有名店のお菓子に反応していましたもんね! 特に今話題の商品についてはグイグイ来ますからね!」
「有能な経営者っていうのは、ああいうリサーチ力が必須なのよ!」
「なるほど~!」
さおりと恵子がそんな会話をしていると、
美沙が慌てて作業を終え、何も言わずに部屋の外へ出て行った。
ドアがパタンと閉まると、さおりがため息をつきながら言った。
「失礼しますくらい言えないのかしらねぇ...」
「ほんとですよねぇ...」
「あの人、総務へ飛ばされた時に会長であるおじい様に訴えたらしいわよ。で、即人事部長に電話が来たんですって! 杉田さんが嘆いてたわ...」
「えーっ? そうなんですか? でも総務のまま変わってませんよね?」
恵子が聞くとさおりが言った。
「上が無視した?」
「やるじゃんっ! うちの上層部!」
二人はニコニコしながら、紙袋から箱を取り出している。
そこで奈緒が聞いた。
「おじい様?」
「うん、あの人、取引先の会長の孫で、コネ入社なのよ」
「へぇ...そうだったんですねぇ...」
奈緒が驚いた顔で返事をする。
さおりと恵子はチョコレートの箱に鼻を近づけてから、
「「うーん、上品な香り~」」
箱から漏れてくるチョコレートの香りに思わず唸っていた。
それからは奈緒も加わり、
その有名チョコレート店の話題で盛り上がった。
最初のコメントを投稿しよう!