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そこでさおりと恵子が話し始める。 「深山さんってやっぱり甘党男子ね!」 「本当ですね! 前も有名店のお菓子に反応していましたもんね! 特に今話題の商品についてはグイグイ来ますからね!」 「有能な経営者っていうのは、ああいうリサーチ力が必須なのよ!」 「なるほど~!」 さおりと恵子がそんな会話をしていると、 美沙が慌てて作業を終え、何も言わずに部屋の外へ出て行った。 ドアがパタンと閉まると、さおりがため息をつきながら言った。 「失礼しますくらい言えないのかしらねぇ...」 「ほんとですよねぇ...」 「あの人、総務へ飛ばされた時に会長であるおじい様に訴えたらしいわよ。で、即人事部長に電話が来たんですって! 杉田さんが嘆いてたわ...」 「えーっ? そうなんですか? でも総務のまま変わってませんよね?」 恵子が聞くとさおりが言った。 「上が無視した?」 「やるじゃんっ! うちの上層部!」 二人はニコニコしながら、紙袋から箱を取り出している。 そこで奈緒が聞いた。 「おじい様?」 「うん、あの人、取引先の会長の孫で、コネ入社なのよ」 「へぇ...そうだったんですねぇ...」 奈緒が驚いた顔で返事をする。 さおりと恵子はチョコレートの箱に鼻を近づけてから、 「「うーん、上品な香り~」」 箱から漏れてくるチョコレートの香りに思わず唸っていた。 それからは奈緒も加わり、 その有名チョコレート店の話題で盛り上がった。
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