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そして秘書室に入ると、すぐにさおりが言った。
「奈緒ちゃん...今水戸さんが教えてくれたんだけれど、なんか奈緒ちゃんが噂の的になっているらしいわよ!」
「えっ?」
すると今度は恵子が言った。
「なんでも、前の会社で男に酷い振られ方をしてここへ転職して来たって...」
「......!」
奈緒は絶句した。
誰がそんな酷い噂を......
「悪意を感じるよね。真実じゃないんでしょう?」
「そうそう...なんか意図的なものを感じるわ。それに、なんで奈緒ちゃんが前に勤めていた会社の事を知っているんだろう? そんな個人情報、私達くらいしか知らないのにね!」
「奈緒ちゃん、秘書室以外で親しい女子社員とかっている?」
さおりが言ったので、奈緒は慌てて言った。
「いませんっ! 一人もいませんっ!」
「じゃあなんでそんな情報が流れるのかしら? あっ、ちなみに私は言っていないわよ!」
「私だって!」
さおりに続き恵子も慌てて言った。
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