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週が明けた月曜日、
奈緒はなるべく他の社員と会いたくなかったので、
少し早めに出勤した。
そしていつものように、朝の雑用を済ませる。
全て終わった頃、さおりと恵子が出勤して来た。
二人がロッカーへ行っている間に、珍しく社内放送が流れた。
『おはようございます! 本日午前9時15分より、30階・経営戦略本部フロアにおいて朝礼を行ないます。お手すきの方は、30階にお集まり下さい』
『朝礼?』
奈緒が不思議に思っていると、戻って来た恵子が言った。
「朝礼なんて珍しいですねぇ。なんの話だろう?」
「こんなの久しぶりね! 一体なんの話かしら?」
さおりはそう言うと、奈緒が入れてくれたコーヒーを、
カップに注ぎ始めた。
奈緒が省吾の秘書になってから、朝9時のコーヒーは定番になっていた
省吾が毎朝コーヒーを飲んでいる事を知ったCOOの公平とCFOの君島は、
俺たちも飲みたいと言い出したので、
ここ最近、皆へ朝のコーヒーを持って行く事が日課になっていた。
三人の秘書は、9時ちょうどになると、それぞれのボスのへコーヒーを持って行った。
奈緒が省吾の部屋をノックすると、
「どうぞ!」
と声が聞こえたので、奈緒は一礼をしてから部屋に入る。
「おはようございます。コーヒーをお持ちいたしました」
奈緒はそう言うと、コーヒーを机の上に置いた。
そして、今日のスケジュールを読み上げる。
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