9359人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい省吾! あれはどういう事なんだ? ちゃんと説明しろよ!」
公平はかなり興奮している様子だった。
いつも冷静な公平が取り乱しているのを見て、
省吾は笑いながら言った。
「だから、言った通りだよ!」
「っていうか、お前ら付き合ってないだろう? なのになぜあんな事を! それも彼女の同意なしに勝手に言ったんだろう? あれは立派なパワハラだぞ!」
「仕方ないだろう? 彼女を守る為にはああするしかなかったんだ。でも今後は誰も彼女に手を出せなくなる。名案だろう?」
「俺が言ってるのはそう言う事じゃなくて、あんな強引なやり方をしたら、彼女が辞めてしまう可能性だってあるんだぞ! 俺はそこを心配しているんだ!」
公平はかなり怒っていた。
なぜなら、公平も奈緒に省吾の秘書を辞めて欲しくないと思っていたからだ。
奈緒が来てからというもの、省吾は着実に変化をしていた。
どこがどうと口では上手くは言えないが、
とにかく奈緒が来てから、省吾は良い方向へ変わってきている。
それは仕事の上でも、それ以外でもだ。
だからこそ、奈緒に今辞められては困ると思っていた。
すると省吾は穏やかな表情で言った。
最初のコメントを投稿しよう!