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「なんか私達、今日ちょっと哲学っぽくない? 朝から深いわぁ~」 さおりはそう言って、感慨深げに頷く。 「私、哲学なんて難しいこと分かりませんからーっ! それよりも、昨日君島さんから貰ったお菓子がありましたよね? あれ、出しちゃおう!」 恵子はそう言ってキッチンへ菓子を取りに行った。 それから三人は、お喋りをしながらフィナンシェを食べ、 コーヒーを飲み終えてから業務へ戻った。 その日の午後、奈緒のスマホにメッセージが届いた。 メッセージは省吾からだった。 省吾は今都内の取引先へ打ち合わせに行っているはずだ。 だからメッセージは出先から送って来たのだろう。 【今週はスケジュールがタイトで明後日しか時間が取れないので、明後日の夜に食事でもどうかな? さっきの打ち合わせを兼ねて!】 奈緒はそのメッセージを見てすぐに返事を送る。 【承知しました】 【じゃあ詳細はまた連絡します】 省吾からの返信を見た奈緒は、スマホを机の上に置いた。 打ち合わせと書いてあるが、一体何を打ち合わせるのだろうか?
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