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リビングルームはとても広く、 庭に面した窓には既にカーテンが引かれていた。 窓際にはゆったりとした白色のソファーが置かれ、 その前には大きなテレビがある。 大きな観葉植物があちこちに置かれていて、 室内はとてもリラックスできる雰囲気だった。 キッチンはアイランド式で、シンプルですっきりと片付き、 とても使いやすそうだ。 ダイニングには、天板がガラスで足の部分が金属製の、 スタイリッシュなテーブルが置かれている。 全体のインテリアは白を基調としているので、 室内がとても明るく感じられた。 「もう料理は出来ているから、ダイニングテーブルに座ってもらおうかな」 賢一がそう言ったので、四人はダイニングテーブルの方へと座る。 奈緒は、来る途中で買ったケーキを賢一に渡した。 手ぶらでお邪魔するのもと思い、 来る途中に省吾にケーキ店に寄ってもらったのだ。 「わおっ! 『シェ・シノヅカ』だ! 僕ここのケーキ大好き!」 イケメン高校生の冬真が、顔を綻ばせて喜ぶ。 奈緒は思わずその笑顔にキュンとなる。 「奈緒ちゃん、ありがとう。後でみんなでいただこう!」 賢一はそう言ってから続けた。 「じゃあ早速、賢一スペシャルのコース料理を始めまーす! まずはスープから!」 賢一はシェフエプロンをキュッと締めてから、 スープを皆の前に運び始めた。
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