銀色の雪が舞い落ちる浜辺で

2

翌朝、奈緒はいつもより少し遅めに目覚めた。

ここ最近、眠れない日々が続いていたが、
さすがに昨日は気疲れしたのだろう。
いつもよりは少し眠れたような気がする。

加賀から紹介された『CyberSpace.inc』からは、
昨日の夕方早速連絡が来た。

仕事を辞めて暇な時間が多いと、色々と考えてしまう。
だったらすぐに仕事を再開して、
忙しくしていた方がいいのではないか？
そう思った奈緒は、早速面接の予約を入れ、
来週『CyberSpace.inc』を訪問する事になった。

奈緒はトーストとコーヒーの簡単な朝食を済ませると、
家事に取り掛かる。
徹の事故以来、なんだかやる気が起きず
家の中は散らかったままだ。

洗濯物をベランダに干すと、
いつもより念入りに部屋の掃除をした。

そして、後回しにしていた徹の私物の片付けを始める。