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「もうね、隠しておくの疲れたー! いい? 今から私が言う事は、ここにいる三人だけの秘密よ! 誓える?」
「「誓いますっ!」」
奈緒と恵子はそう言って唾をごくりと飲み込むと、
さおりの言葉を待つ。
「あのね、私と深山さんは実は従兄弟なの!」
「「えっ?」」
「つまり親戚って事よ! あっ、でもね、私はコネ入社じゃないわよ。省吾にこっそり黙って採用試験を受けたんだからね! だから面接当日に私と対面してかなり驚いていたけれどね!」
さおりはそう言って舌をペロッと出す。
「えーっ! びっくりぃ~! そうだったんですねぇ...まさか深山さんとさおりさんが親戚だったなんて、全然気づかなかったー!」
「私も!」
恵子に続いて奈緒も言う。
「そりゃそうよ。バレないように必死に隠してたんだから!」
「すっかり騙された~~~!」
恵子はさおりとの付き合いが奈緒よりも長いので、余計に驚いている様子だった。
「ごめんごめん...」
さおりはそう言って恵子の頭を撫でる。
「でもね、そんな事は今はどうでもいいのよ! とにかく奈緒ちゃんの指輪の話に戻りましょうよ! こんな高そうなルビーの指輪を、わざわざ『小道具』の為に贈ると思う?」
「そうですよねー! 婚約指輪にしてもいいくらいのグレードですよねぇ」
「......そうなんですか?」
奈緒は少し戸惑いながら、
二人にこの指輪を買う事になった経緯を話し始めた。
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