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その頃、省吾は北海道の小さな町にいた。
明日ここで、自律運航AIを搭載したドローンによる
荷物運搬の実証実験が行われる。
この実験が成功すれば、
早ければ来春には実用化の目処が立つ。
つまり、今が大詰めと言ってもいいだろう。
出張には、最高技術責任者の原田と、
開発に携わった技術者が何人か同行していた。
明日は朝からドローンを使って、
荷物運搬のをシミュレーションを行なう。
今はその最終打ち合わせが行われていた。
「人や車を認識して、ちゃんと安全を確保できるかどうかが鍵ですね」
「故障診断プログラムは、最新バージョンをインストールしているか?」
「大丈夫です!」
「緊急着陸プログラムもオッケーです!」
「あとは、バッテリーがどのくらいもつかだな...」
「この町みたいに山や畑が多いと、直線コースで飛べるから楽勝ですが、都会だとなかなかそうはいかないでしょうねぇ...」
そんな議論が夕方まで続く。
そして打ち合わせは、午後五時になると終了した。
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