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この町の宿泊施設は、駅前に小さなビジネスホテルが1軒あるだけだ。 夕食はつかないので、 メンバーは夕方6時にフロント前で待ち合わせ、 皆で外へ食べに行く事にした。 小さな商店街にある居酒屋へ入ると、 まずはよく冷えた生ビールで乾杯をした。 「「「お疲れーっす!」」」 この町は海にほど近く小さな漁港もある。 だから刺身の盛り合わせは、店のイチ押しメニューらしい。 居酒屋は観光客向けの店ではなかったが、 ちゃんと北海道らしいメニューも揃っていた。 初めて北海道へ来た若手社員もいたので、 ちゃんちゃん焼きや石狩鍋、ザンギやにしん漬けなど、 北海道料理も色々と注文した。 それから、酒に合う美味い料理が次々と運ばれてくる。 省吾とCTOの原田は、ビールを飲み終えると日本酒を頼んだ。 他の社員達も、酎ハイやハイボールなど、 それぞれが好きな酒を頼んだ。 省吾の会社では、パーティールームを使って 社員全員が参加するパーティーを開く事も多い。 しかし、逆に外での飲み会はあまりない。 だから省吾は、出張の度にこうして社員達との 交流を図るようにしている。 そして社員達もそれをとても楽しみにしていた。 中でも若手社員達は、 ほとんどが省吾に憧れてこの会社へ入って来た者ばかりだ。 そんな若い社員達からは、 ここぞとばかりに質問が飛んでくる。
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