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そこで江原が言った。 「三上さんは、仕事はめっちゃ出来るんですが、女性関係で揉め事が絶えなくて......あの通りイケメンだし社内でも人気者だから、余計に注目を集めちゃうっていうか...」 「それにしても浅はかだよな。よりによって深山君の彼女にちょっかいを出そうとするなんてさ。三上君って、結構自信家なの?」 原田が呆れたように言う。 「そうかもしれません。三上先輩は思った事をすぐ口にしたり、行動しちゃうんですよ...それで騒ぎがどんどん大きくなってしまい噂が広まっちゃうっていうか...。そのせいで三上先輩に憧れている女子社員達は振り回されて挙句の果てに仕事でミスが増えるし...参っちゃいますよ...」 「そうかぁ~、結構おおごとになってるんだ」 原田がそう言うと、江原は苦笑いをしながら、 「はい...」 と答える。 「三上って何歳だっけ?」 省吾が聞くと、江原が言った。 「僕の三期上ですから36です。技術統括本部の主任になって2年目です」 すると、原田が省吾に言った。 「省吾君、こりゃあ帰ったら要チェック案件ですね。まあ麻生さんに限って三上君にたぶらかされるような事はないとは思いますが、念の為用心しないと!」 「そうですね...」 省吾はそう呟くと、何かを考えながら日本酒をグイッと飲み干した。
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