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居酒屋の外で奈緒に電話をかけていた省吾は、 電話を切ると、すぐに席へ戻った。 江原を含めた若者達は、隣のテーブルへ移り何やら騒いでいる。 どうやら若手社員の一人が近々結婚すると発表したようで、 それで盛り上がっているようだ。 省吾が席に着くとすぐに原田が聞いた。 「どうでしたか?」 「嫌な予感が当たりましたよ......」 「えっ? って事は?」 「秘書室に三上が来ていたようです......」 「まさか!」 「そう、そのまさかです!」 省吾はそう言うと、先ほど頼んでおいた水を一杯飲んだ。 「で? 麻生さんは大丈夫でしたか?」 「はい、でも俺のいない隙に、三上が食事に誘ってきたらしいです」 「マジですかっ? えっ? で、麻生さんは大丈夫?」 「多分...今電話で直接三上と話をしたので...」 「そうですか! で、三上はなんと言ってましたか?」 「一応謝ってはいましたが、本心じゃないですね。結構厄介な奴かも...」 「困りましたね...その程度ではクビには出来ないし、異動させるにしても三上がメインで今のプロジェクトが動いていますから、外すとなると大打撃ですよ......」 原田はそう言って頭を捻る。
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