13

8/28
前へ
/342ページ
次へ
その日の昼休み、秘書室の三人は部屋の隅の丸テーブルで ランチをしていた。 三人は、週に一度は外へランチに出かける。 しかしそれ以外は、ほとんどこのテーブルでお喋りをしながら 昼食を食べていた。 奈緒は手作り弁当を持参し、 後の二人は買って来た弁当やサンドイッチを食べる。 時には菓子を持ち寄り、食後のコーヒーを楽しむ。 今日も、いつものように三人で昼食を食べていた。 そこで奈緒は、先週の三上の事を二人に話した。 この二人には、社内で起きた事をなんでも知っておいて欲しいと思ったからだ。 奈緒の話を聞いた二人は、信じられないといった表情で驚いていた。 「嘘でしょう? なんかショックだわぁ! だってうちの会社で大人気の人なのよ! 白馬の王子様なのよ!」 恵子がまず一番に声を上げる。 「私もびっくりしました! なんか聞いていたイメージと違ったので...」 奈緒も言う。すると恵子がまた言った。 「よりによって、なんでCEOの彼女に手を出すかなぁ? 三上さんって頭いいのにそういうところはちょっと浅はかだよね!」 そこで、黙っていたさおりが口を開く。 「やっぱりねぇ......」 「「えっ?」」 奈緒と恵子が驚いた声を出すと、さおりが言った。 「本性が出ちゃったのかしら......」 「どういう意味ですか?」 恵子が聞くと、さおりは二人に説明し始めた。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9570人が本棚に入れています
本棚に追加